福一は骨や野菜から、ほぼすべてのラーメンを作り込んでいます。
自分たちで作ったから良い物、とは思っておらず、ではなぜ自分たちで作るのか、ここには大きなこだわりがあります。
自分たちが苦労して作ったからこそ、もっとおいしくしたくなるし、最高の状態で味わってもらいたいし、無駄にしてほしくない、より価値を感じていただこうと試行錯誤します。買ってきたものを合わせるだけでは、その見えざる感情の力は沸き起こってこない。だから私たちは、40℃を超える室温の中、何時間もスープの灰汁をとりますし、毎回形や水分量の違う、時には土のついた野菜を毎回方法を微妙に変える、という苦労を取りながら処理しています。
気づきの部分ですが、不思議とずっと触っているといろんなことに気づけます。肉の柔らかさ、麺の弾力、スープの匂い、メンマの味の入り方、、、一つ事に専念する、ということはこの事を言っていると思います。私たちは大手企業では無く、快適な空間も便利な営業時間も、何年も常温で日持ちするラーメンも作れません。唯一のお客様へのベネフィットがあるとすれば、従事する専門スタッフの技術、気配りです。一般的に「職人」とか「プロ」と呼ばれるものだと思います。
今までにもいろんな業者の方からご提案をいただきましたし、正直悩んで悩んで自社製造を一部辞めようと思った時もありましたが、今、うちは手作りをコアとしてラーメンを作ることをやめようとは思いません。
たった1杯のラーメンに私どものやってきたすべてが表現されます。よくも悪くも。
お客様のラーメンを食べた表情からも満足度だけではなく、時にはどのような精神状況なのかすら読み取れる時すらあります。
そんな不思議な1杯のラーメンをとことんまで私たちは汗をたらし、悩んで追求していきます。